禁煙治療標準手順書

喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信(参考文献の紹介)

日本癌学会喫煙対策委員会では、新型たばこを含め、喫煙とがんを始めとする健康にまつわる国内外の様々な研究結果について、注目すべき参考文献を定期的に1~2編ずつ紹介していく取り組みを始めました。ここに紹介する研究論文は、がん予防・がん医療に対するインパクトの強さ、社会的インパクトをはじめ、最新の健康・医療にまつわるトピックスなども参考に選択しています。

【参考文献8】

タイトル: Burden of total and cause-specific mortality related to tobacco smoking among adults aged ≥ 45 years in Asia: a pooled analysis of 21 cohorts.
著 者: Zheng W, et al.
雑誌名: PLoS Med 2014, 11(4) e1001631.
リンク: https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1001631
【文献の紹介文】

この論文では、日本人を含むアジア人を対象とした大規模な住民追跡研究のデータを用いて、喫煙がどれだけ死亡に影響を与えているかを明らかにする研究を報告しています。
本研究では約100万人の参加者を解析し、バングラデシュ、インド、中国本土、日本、大韓民国、シンガポール、台湾で45歳以上の成人の喫煙関連の死亡を推定したところ、男性では喫煙が原因となる割合は心血管疾患死亡の約11%、がん死亡の約31%、呼吸器疾患死亡の約20% でした。女性では、心血管疾患死亡の3.7%、がん死亡の4.6%、呼吸器疾患死亡の1.7%でした。特にがん死亡との関連は強く、男性では肺がん死亡の60.5%、女性では16.7%でした。 アジアでは男性の喫煙率が高く、適切な対策が取られない場合には今後も増え続ける可能性が高いと結論づけていました。

【紹介者コメント】

喫煙が様々な病気に関連する事が知られています。この研究では、死亡原因にしめる喫煙の圧倒的な高さを示しています。論文でも触れられている通り、適切なたばこ対策を政策として実施することがこの「防ぐ事ができる」死亡に繋がって行きます。そういう意味で国のたばこ対策は重要です。

担当委員: 松尾恵太郎 (愛知県がんセンター研究所 がん予防研究分野)