日本癌学会学術賞

2020年度日本癌学会学術賞 受賞者

吉田富三賞

佐谷 秀行(慶應義塾大学医学部先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門 教授)
「がん幹細胞を標的とした治療戦略の開発」
佐谷秀行博士は、がんの不均一性および治療抵抗性に関する研究を長年行い、腫瘍の発生および維持に中心的な役割を果たすがん幹細胞の特性とその分子機構解明に心血を注いできた。CD44v分子がシスチントランスポーターxCTを介してがん幹細胞の酸化ストレス抑制に働いていることを見出し、その分子機構に基づいた先駆的な創薬研究を行い、実臨床に持ち込んだ。更に各種がん幹細胞を人工的に作製し、がんの種類によって異なる治療抵抗性の分子基盤解明に大きく貢献した。

長與又郎賞

河上 裕(国際医療福祉大学医学部長・免疫学教授、 慶應義塾大学名誉教授、医学部先端医科学研究所 細胞情報研究部門・特任教授)
「ヒトがん免疫応答の解明によるがん免疫療法の開発」
河上裕教授は悪性黒色腫に対し治療効果を示す腫瘍浸潤リンパ球 (TIL)が認識するヒト腫瘍抗原の単離に世界に先駆けて成功した。その後DNAミスセンス変異由来ネオ抗原など多数のカテゴリーを異にするがん抗原の同定を通してT細胞によるヒト腫瘍抗原認識機構の実体解明に大きく貢献し、複合的がん免疫療法の開発基盤を築いた。また、河上教授は日本癌学会利益相反委員会初代委員長として、学会の利益相反管理体制を構築した。

JCA-Mauvernay Award

Innovative and/or disruptive research
Hideaki Ogiwara (Chief, Division of Cancer Therapeutics, National Cancer Center Research Institute)
Development of synthetic lethal therapy for chromatin regulator deficient cancers
Translational research
Keisuke Kataoka(Chief, Division of Molecular Oncology, National Cancer Center Research Institute)
Genetic dissection of molecular pathogenesis in human cancer

JCA-CHAAO賞

直江 知樹(代表者)(国立病院機構名古屋医療センター 名誉院長)
横田 昇平(藤谷医院、京都府立医科大学血液内科 院長、客員講師)
清井 仁(名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学 教授)
「FLT3変異の発見と標的治療薬の研究」

JCA International Award

Erwei Song (President/Professor, Sun Yat-sen Memorial Hospital, Sun Yat-sen University)
Elucidate the role of non-coding RNA in tumor microenvironment formation

女性科学者賞

滝田 順子(京都大学大学院医学研究科 発達小児科学 教授)
難治性小児がんにおける分子病態に立脚した新規克服法の開発

日本癌学会奨励賞

【基礎】
大島 健司 (大阪大学大学院医学系研究科 病態病理学講座 助教)
大腸がんの増殖を促進する新たな代謝経路の解明
垣内 伸之 (京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学講座 助教)
遺伝子変異クローンによる食道および大腸組織の再構築の解明
白石 友一 (国立がん研究センター研究所 細胞情報学分野 ユニット長)
大規模がんゲノム・トランスクリプトームシークエンスデータの解析プラットフォーム・統計解析手法の開発
前田 優香 (国立がん研究センター研究所 腫瘍免疫研究分野 主任研究員)
腫瘍微小環境における抗原特異的免疫抑制機構の解明
松ア 潤太郎 (カリフォルニア大学サンフランシスコ校 糖尿病センター 博士研究員)
血中microRNAによる固形がん診断モデルの構築
横井 暁 (テキサス大学 MDアンダーソンがんセンター 博士研究員)
卵巣がんにおける核酸搭載細胞外小胞の機能解析と臨床応用
【臨床】
今野 雅允 (大阪大学大学院医学系研究科 先進学薬物療法開発学 講師)
エピトランスクリプトーム情報に基づいた新規膵臓がんバイオマーカーの開発
佐藤 和秀 (名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科呼吸器内科学講座 S-YLC特任助教)
近赤外光線免疫療法の機序解明と応用開発研究
須田 健一 (近畿大学医学部外科学教室 呼吸器外科部門 講師)
EGFR変異肺がんにおけるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤耐性克服を目指したトランスレーショナルリサーチ
冨樫 庸介 (千葉がんセンター研究所 部長)
臨床検体を用いた腫瘍免疫のトランスレーショナルリサーチ