日本癌学会学術賞

2019年度日本癌学会学術賞 受賞者

吉田富三賞

畠山 昌則(東京大学大学院 医学系研究科 微生物学分野 教授)
「ヘリコバクター・ピロリ感染による胃がん発症機構の研究」
胃がんは細菌感染を基盤に発症することが明らかとなっている唯一のヒトのがんである。畠山昌則博士は、ヘリコバクター・ピロリ菌により産生され胃上皮細胞内に直接打ち込まれる細菌タンパク質 CagAが、複数の宿主細胞内シグナル制御分子と異常な複合体を形成することでそれらの分子機能を脱制御あるいは不活化し、細胞のがん化を促すことを世界に先駆けて明らかにした。畠山博士の研究は、"細菌発がん"という新たな発がんパラダイムを切り拓いた。

長與又郎賞

森 正樹(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科) 主幹教授)
「消化器がんのがん幹細胞研究」
森正樹氏は長年外科医として活躍し、難治性消化器がんをがん幹細胞の視点から研究してきた。肝臓がんにおいてCD13が優れたがん幹細胞マーカーであることを報告し、新規ドラッグデリバリーシステムの開発と連動して実臨床への道を開いた。また、3種類のマイクロRNAでiPS細胞を作製することが可能であること、そのマイクロRNAの導入によりがんの冬眠療法が可能であることを示した。これらの成果は難治がん治療に新しい手法を提示した卓越した成果である。

JCA-Mauvernay Award

Translational research
Ryohei Katayama (Chief, Division of Experimental Chemotherapy, Cancer Chemotherapy Center, Japanese Foundation for Cancer Research)
Identification of the resistance mechanisms to molecular targeted therapies and immune checkpoint inhibitor in lung cancer
Innovative and/or disruptive research
Shinichi Yachida(Professor, Department of Cancer Genome Informatic, Graduate School of Medicine, Osaka University)
Cancer clonal evolution and involvement ot the microbiota in cancer development

JCA-CHAAO賞

白土 博樹(代表者)(北海道大学大学院 医学研究院 教授)
清水 伸一(北海道大学大学院 医学研究院 教授)
鬼丸 力也(北海道大学大学院 医学研究院 准教授)
品川 尚文(北海道大学病院 講師)
阿保 大介(北海道大学病院 講師)
加藤 徳雄(北海道大学大学院 医学研究院 助教)
梅垣 菊男(北海道大学大学院 工学研究院 教授)
石川 正純(北海道大学大学院 保健科学研究院 教授)
宮本 直樹(北海道大学大学院 工学研究院 准教授)
青山 英史(新潟大学医学部 教授)
「動体追跡技術と同期照射技術を用いた高精度放射線治療の開発と臨床研究」

JCA International Award

Gou Young Koh (Director, Center for Vascular Research, Institute for Basic Science / Distinguished Professor, Korea Advanced Institute of Science and Technoogy)
Molecular control of tumor vessels for inhibition of cancer progression and metastasis

女性科学者賞

本橋 ほづみ(東北大学 加齢医学研究所 教授)
酸化ストレス応答異常がもたらすがんの代謝リプログラミングと悪性化機構

日本癌学会奨励賞

【基礎】
大栗 敬幸 (旭川医科大学 病理学講座免疫病理分野 准教授)
ヘルパーT細胞とSTINGを基軸としたがん免疫治療法に関する基礎研究
奥野 友介 (名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部 先端医療・臨床研究支援センター 特任講師)
慢性活動性Epstein-Barrウィルス(EBV)感染症の網羅的遺伝子解析と血液悪性疾患における欠損EBVの発見
北嶋 俊輔 (ハーバード大学 ダナ・ファーバー癌研究所 リサーチフェロー)
KRAS変異型肺がんにおけるSTING/TBK1経路の役割
木戸屋 浩康 (大阪大学微生物病研究所 情報伝達分野 助教)
白血病骨髄にて認められる特異的血管変化の解析
山本 雄介 (国立がん研究センター 細胞情報学 主任研究員)
組織幹細胞培養の応用による前がん病変の発症メカニズムの解明
【臨床】
角南 久仁子 (国立がん研究センター中央病院 臨床検査科 医員)
本邦における遺伝子パネル検査の臨床的有用性の実証および実装に向けた運用体制の構築
吉田 稚明 (放射線影響研究所 臨床研究部 副主任研究員)
末梢性T細胞リンパ腫におけるゲノム異常に基づくトランスレーショナルリサーチ