日本癌学会学術賞

2015年度日本癌学会学術賞 受賞者

吉田富三賞

野田 哲生(公益財団法人がん研究会がん研究所 所長)
野田博士は、先進的なマウス分子遺伝学手法を駆使し、多数のがん関連遺伝子の個体レベルでの機能を明らかにし、また、多くのヒト発がんモデルマウスの樹立に成功した。中でも、APC遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスの作製及びその解析は、がん抑制遺伝子の不活化による哺乳類個体での発がんを世界で初めて証明したもので、その意義は大きい。さらに、このような先進的マウス遺伝学手法の確立とその応用による発がんメカニズムの解明は、発がん研究のみならずがんの治療法開発にも大きく貢献した。

長與又郎賞

今井 浩三(東京大学医科学研究所抗体ワクチン開発分野 特任教授)
今井浩三博士は、世界に先駆けてがん関連標的分子を解明するための基礎研究から、基礎研究で明らかになった標的治療の臨床応用を目指すトランス レーショナル研究(TR) に積極的に取り組み、単一の大学のみならず多施設におけるTRプロジェクトを推進することで、我が国のTR研究の代表者として TR研究を牽引されてきました。また、今井博士は日本癌学会への貢献として日本癌学会の副理事長、第64回学術会長、第7回日米癌合同会議世話人、日本がん治療認定医機構の立ち上げと同理事長を勤められ、がん研究の社会還元に対して高い貢献をなされてきました。

JCA-Mauvernay Award

Basic
Yutaka Kondo (Department of Epigenomics, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences)
Targeting epigenetics as a new paradigm in cancer treatment
Applied
Junko Takita (Department of Pediatrics, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo)
Identification of molecular therapeutic targets for pediatric cancers

JCA-CHAAO賞

タミバロテン(Am80)研究グループ
首藤 紘一(グループ代表者)(一般財団法人日本医薬情報センター 会長)
大野 竜三(共同研究者)(愛知県がんセンター 名誉総長)
影近 弘之(共同研究者)(東京医科歯科大学生体材料工学研究所 教授)
小林 洋一(共同研究者)(東光薬品工業株式会社 代表取締役社長)
橋本 祐一(共同研究者)(東京大学分子細胞生物学研究所 教授)
「急性前骨髄球性白血病治療薬タミバロテンの開発研究」
(英文) Tamibarotene, a highly effective retinoid for acute promyelocytic leukemia

日本癌学会奨励賞

【基礎】
新井 恵吏(国立がん研究センター研究所 分子病理分野)
「腎発がん過程におけるエピゲノム異常の意義に関する研究」
生島 弘彬(東京大学生産技術研究所)
「自然免疫受容体によるがん監視機構の解明」
石川 俊平(東京医科歯科大学難治疾患研究所 ゲノム病理学分野)
「びまん型胃癌におけるゲノムプロファイリングとドライバー遺伝子の同定」
片山 量平(公益財団法人がん研究会がん化学療法センター)
「融合遺伝子陽性肺がんにおける分子標的薬耐性機構の解明」
佐藤 悠佑(京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学講座)
「網羅的な遺伝子解析による腎細胞癌の病態解明」
村田 幸久(東京大学大学院農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室)
「癌の発生と増殖を抑制する分子の発見と治療への応用」
【臨床】
遠藤 誠(九州大学大学院医学研究院 整形外科)
「骨軟部腫瘍における予後因子と新規治療標的の探索」
関 正史(東京大学大学院医学系研究科 生殖・加齢・発達医学専攻)
「胸膜肺芽種におけるDICER1両アレル変異の同定」
吉見 昭秀(東京大学大学院医学系研究科 がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン)
造血器腫瘍のDNAチェックポイント破綻に加担する新規遺伝子異常の同定